2014年3月31日月曜日

MBAが自分を変えた

MBA受験を本格的に志しはじめたのも、企画部に異動してからだと思う。企画部にいるというステータスを利用して、社内選考にも通りやすいのではないかと思ったのだった。そして、実際に通った。今思い返せば、あの頃の自分は、みなの羨むようなステータスやポジションを渇望していたのだと思う。それなしには、まだ自分が知らないなにか“素晴しい”世界に自分の人生をもっていけないのだと思った。企画部に行きたかったのも、MBA留学をしたかったのも、きっとそのせいだと思う。自分には常に何かが足りないと思っていた。いわゆる華やかな世界にいる人たちを常に羨んでみていた。“隣のしばふ”ばかり見ていた。自分に何かが足りないのではないかと思う劣等感、その何かを持っていそうな人への羨み、そんなものが自分を強烈に突き動かしていたのだと思う。だから、向上心だけはあったのだと思う。本来、向上心とは、何か達成したいものがあって、そのために必要だと思うことに発揮すべきものだ。一方で、あの頃の自分が持っていたのは、達成したいものがあるわけではなく、とにかく劣等感を消すため、そして他人への羨みを消すための向上心であったと思う。

そんな、ある意味では“曲がった”向上心に突き動かされた自分が、世界最難関と言われるスタンフォードMBAに合格し、入学することができた。この結果は、今思えば、自分の劣等感や羨みの強さを表していたのだと思う。まだ知らない世界を見てみたいという思い、世界のトップを見てみたいという思い、そしてそこに行くことで自分の劣等感が消えるのではないかという希望、そんなものが自分を強烈にドライブしていたのだと思う。そして今、そんな当時の自分も肯定的に見ることができる。なぜなら、こうしたドライブがなければ、今の自分はいないと思うからだ。今、自分は人に対して劣等感を感じることも極めて少なくなったし、何よりそれがゆえに、自分を丸ごと好きでいられるようになった。本当に自分の好きなことは何なのか、純粋な熱意を持つとはどういうことなのか、そんなことを考えて生きることができるようになった。私の中での“変化”とは結局のところ、こうした変化なのだ。

“Change lives, change organization and change the world.”スタンフォードMBAの学生なら何度も口にする言葉、世界を変えるのだというポリシーを鮮明に表した言葉。実は、自分の“変化”もまさにこの言葉に沿ったものだったのだと今、強く感じている。何かを達成したいとき、まずはじめに変えられるもの、そして変えなければならないものは、自分自身、そして自分自身の人生なのだ。そして、それができて始めて、周りとの関係、そして遂には世界を変えることができるようになるのだと思う。

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